ManufacturingJune 15, 2017

第二回:ENOVIAで製造BOM育成過程を管理する

「ちょっとちょっとイエロー、お客様から“EBOMとMBOMの定義を教えてくれ”って聞かれているんだけど、何か良い資料ないかな?」(松岡)  
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「ちょっとちょっとイエロー、お客様から“EBOMとMBOMの定義を教えてくれ”って聞かれているんだけど、何か良い資料ないかな?」(松岡)

「よく聞かれますよね。EBOMも設計BOMを示す時もあれば、生産技術や生準部署が使うBOMまで広く示す時もありますものね。まして、MBOMと言ったら もうどこまでを言っているのやら。時と場合、聞く人や部門、日常業務の内容によって受け取り方も違いますからね。難しいです。って言うか、撲 イエローですか、はあ(ため息)」(相武)

「少し前までは、MBOMと言ったら生産管理システム側のBOMで所要量計算を行うための部品表だったよね? 生産管理システムは拠点毎に違うからMBOMも拠点毎に別々のシステムで登録していたものね。だから同じ品番でもシステムが別だから構成が違っても、工程が違っても、単価が違っても 問題なかったのよ。今は違うでしょう? グローバルで1つのDB・システムで管理しようとしているから全部繋がって情報が入手できる」(松岡)

「そうなんです。EBOMからMBOMまでどんな情報が管理されているのか、当然時間経過と業務が進むにつれて登録される情報の種類は増えていきますからね」(相武)

「オッケー 今回の主題はそれね。よろしくイエロー」(松岡)

それでは・・・

今回は、撲 相武から、ENOVIAの設計BOMの導入を検討されているユーザー向けに、設計BOM(E-BOM)を元に製造BOM(M-BOM)を育てていく過程の管理をENOVIAで実現するための案をご説明します。

設計BOMと製造BOM

・設計BOM

設計部門が製品情報を管理するために作成するBOMの事を設計BOM(E-BOM)といいます。

製品を形作る構成部品の数量、形状、材質などを管理します。

・製造BOM

設計部門の設計BOMを元に、生産管理、生産技術、購買等の部門が生産情報を登録するBOMを製造BOMといいます。

設計BOMに対して内外製、生産工場、仕入先情報、加工情報等などが付け加えられたBOMとなり、完成したものが生産管理に登録され管理されます。

設計BOMと製造BOMの中間に位置する、生産準備BOM

製造BOMを育てていく過程、設計BOMと製造BOMの中間に位置するBOMを生産準備BOMといいます。

生産準備BOMでは設計BOMの製品情報に対して、内外製、生産工場、仕入先情報、加工情報に加え、生産に関連する型・冶具、梱包などを管理します。

従来は設計BOMから製造BOMを育てていく過程の管理は、Excel等のシステム外での管理や、設計BOMに製品情報や生産情報を混在する形で管理し、最終的に完成したものを製造BOMに登録する運用が多かったですが、中間に生産準備BOMを持ち、製造BOMを育てていく過程を効率よく管理していく事が業務の効率化に繋がる事になります。

製品情報と生産情報の分離

本来、設計BOMは設計部門が製品情報を管理するためBOMですが、製造BOMを作り込んでいくために生産情報を登録してしまうと、製品情報と生産情報が混在してしまい、設計変更のプロセスや責任部署の切り分けが複雑になってしまいます。

したがって製品情報の管理とは明確に分離する必要があると考えています。

ENOVIAのMBOモジュール

ENOVIAでは設計BOMに対して生産準備BOMを管理するためのMBOというモジュールがあります。出図された設計BOMの情報に対して生産工場を定義し、生産工場毎に生産準備BOMを作成します。設計BOMとは切り離されているため、設計部門は生産準備BOMの状況を気にすることなく、設計BOMの管理に集中する事ができます。

一方で、生産管理、購買、生産技術部門は生産準備BOMを管理しますが、設計BOMが変更された場合は変更情報が通知されるため、生産管理、購買、生産技術部門要因による生産情報の変更だけでなく、設計部門要因の製品情報の変更に付随する生産情報の変更にも対応する事ができます。生産情報の変更により、製品情報の変更が必要となる場合は、設計部門へ連絡し、上流の設計BOMを変更後、生産準備BOMを変更します。

製造BOMを承認し、完成した状態では仮リリースの状態となり、製造BOMへのリリース時期を指定する事により、製造BOMへ生産情報が連携されます。

まとめ

設計部門と生産管理、購買、生産技術部門がBOMとしては分離されつつも、同一のシステムで管理を行う事で情報が集約され、コミュニケーションの円滑化、手戻りの低減などが期待できます。ぜひ今後の導入検討の参考になればと思います。(相武)

「ありがとう、イエロー。時間の経過によってどんな情報が発生してくるのか、どの部署で情報が発生するのか、それは拠点によらず一つの情報か・拠点によって異なる情報か、そもそも その情報を管理したいのか・・・このあたりを禅のように自分(自社)に問いかける事が大事だね

次回は、エスツーアインジャー ブルーことターフルくんがBOMの活用方法を解説します、お楽しみに!」(松岡)

<バックナンバー>

第一回:BOMから見つめなおす業務改革

エスツーアイ株式会社:3Dエクスペリエンス・プラットフォーム ENOVIA

http://www.s2-i.co.jp/handling_products/product_enovia.html

エスツーアイ株式会社へのお問い合わせ:

https://www.s2-i.co.jp/mail/

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