サステナビリティJanuary 31, 2018

【ダッソー・システムズ広報ブログ vol.6】一問一答式 よくわかるダッソー・システムズ Global 100編

ダッソー・システムズ広報の佐藤です。   このほど当社は「2018年世界で最も持続可能な100社(Global 100)」の第一位に選出されました。2005年から毎年ダボス会議で発表されているランキングで、今年は日本からも4社が選出されています。  
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ダッソー・システムズ広報の佐藤です。

このほど当社は「2018年世界で最も持続可能な100社(Global 100)」の第一位に選出されました。2005年から毎年ダボス会議で発表されているランキングで、今年は日本からも4社が選出されています。

しかし、この「持続可能(サステナブル)」という言葉は少々とっつきにくいようで、周囲からも、「ふーん...」「何で?」「ゴミが少ないってこと?」と、うすーい反応しかかえってきません。これは残念すぎる。

そこで今回は「一問一答式 よくわかるダッソー・システムズ Global 100編」と題し、第一位選出の理由とその背景をまとめてみることにしました。

Q.「世界で最も持続可能な100社」とは?

A.コーポレート・ナイツ社(カナダの投資調査会社)が2005年から実施している企業ランキング調査です。毎年1月、世界経営者会議(通称ダボス会議)で発表されています。

 

Q.「持続可能な会社」って、つまりどういうこと?

A.地球や社会と共存共栄していける会社、ということです。

(より詳しく)コーポレート・ナイツ社の調査の評価項目をみると、環境対策はもちろん、健全な財務や人事、イノベーション力なども「持続可能性」の構成要素とみなしていることが判ります。言い換えると、限りある地球資源を枯渇させることなく、人々の幸福の追求を支え、社会に貢献し、末永く共に成長していけるような会社、ということになるでしょう。

Q.どうやって選んでいるの?

A.世界の上場企業約6,000社を対象に、公開データを元に選出しています。

(より詳しく)時価総額10億米ドル以上の全上場企業(国・地域や業種を問わない)が調査対象です(2018年は5,994社)。財務報告書や持続可能性報告書等、企業が公開している資料とデータをもとに、コーポレート・ナイツ社が「持続可能性に関連する情報開示」「財務の健全性」「製品カテゴリ」「金融制裁」の観点から調査対象をスクリーニングします。900位以内に入った企業には、データ確認のためコーポレート・ナイツ社が全社に直接連絡を取った上で、15の基準評価指標(KPI)に沿って評価・順位付けし、最終的な上位100社を決定します。

Q.何を基準評価指標(KPI)にしているの?

A.会社の財務や人事、イノベーション力、環境対策など、および会社の本業(何から利益を得ているか)について、各社の公開情報をもとに測定し評価しています。

(より詳しく)コーポレート・ナイツ社は、調査開始前にその年の評価方法やKPIを公開しています.2018年のKPIは次の通りでした。

  • 「資源管理」エネルギー、炭素排出量、水使用量、廃棄物量(リユース対応も含む)、クリーンエア対応(揮発性有機化合物、窒素酸化物、硫黄酸化物、粒状物質の放散への対応)
  • 「財務管理」イノベーション能力、納税状況、CEOの報酬と平均的な従業員の報酬の比較、年金基金の状況、取引先の状況
  • 「従業員管理」安全度、離職率、管理職のダイバーシティ(女性が占める比率など)、上級管理職が遵守すべき持続可能性への対応策
  • 「その他」クリーン収益

Q.どうしてダッソー・システムズは今年第一位に選ばれた?

A.本業が持続可能な発展に「がっつり」ミートしているからです。

(より詳しく) 当社は工業製品やシステムの設計から製造、マーケティングにまで関わるソフトウェアを開発しています。たとえば新しい飛行機を作る場合に、紙飛行機のようにとりあえずいくつか作って飛ばしてみる、という訳にはいきません。試作には材料やエネルギーが必要ですし、廃棄物も必ず発生します。

さて今回のコーポレート・ナイツの調査。ダッソー・システムズでは各KPIで高評価を得ましたが、特に2018年から新たに加わったKPIである「クリーン収益」(clean revenue)が評価の上昇に影響しました。クリーン収益は、その会社が環境に有益なサービスや製品からどの程度の収益を得ているか、を示す指標として設定されています。

現在、当社のソフトウェアは、大手航空機メーカー各社や自動車メーカー各社とそのエコシステム、船舶、建築、資源開発から、創薬や先端医療、材料開発、都市計画まで、さまざまな領域で使われています。そこでは、作りたい飛行機や自動車、船や建物を「まるっと」3次元(3D)デジタル設計し、その3Dモデルを使ってデジタル空間で何十回、何百回、何百万回(もしくはそれ以上)と試行錯誤してみることができます。石油ではなく電力で飛ぶ航空機、自動運転車、一品生産のラグジュアリーなヨット、特殊なコンクリートと3Dプリンタで建てるパビリオン・・・こういったアイデアを実現できるのか、安全基準を守れるか、タイムリーな量産は可能か、といった多くの課題が、実際の製品開発や製造に乗り出す前に、デジタル空間で検証されています。つまり当社が開発したソフトウェアをお客様が購入し、デジタル上での設計・テスト・組み立て・製造計画などに使うと、実物で試行錯誤を繰り返したら使って廃棄したであろう材料やエネルギーの大部分を、使わずに済むことになります。こうした削減効果を持つソフトウェアから当社が収益を得ているという点が、「クリーン収益」として認められた、といえます。

Q.ほかにはどんな企業が選ばれているの?

A.2位はフィンランドのエネルギー企業であるネステ、3位はフランスの自動車部品メーカーであるヴァレオでした。ほかシスコ・システムズ(7位)、シーメンス(9位)、サムソン(10位)、メルク(13位)など様々な国・業種の企業が選出されています。2018年は22の国・地域の企業がランク入りしており、なかでも米・仏・英の三カ国が目立ちました。また欧州の企業が全体の69パーセントを占めました。日本からは本田技研工業(21位)、武田薬品工業(44位)、積水化学工業(55位)、日産自動車(68位)が選ばれています。

なおダッソー・システムズは2012年から今年まで連続してランク入りしています。2016年は2位、2017年は11位でした。

以上、一問一答の試みでしたが、既に原稿用紙5枚分を突破してしまいました…

ダッソー・システムズは「製品と自然環境と人々の生活の調和」を実現するための製品群を開発し、たくさんのお客様やパートナー様が当社の製品群を使ってサステナブルでイノベーティブな取り組みを進めてくださっています。今回の受賞はお客様とパートナー様あってのこと。感謝の気持ちで一同、今年もがんばります。

(画像:仏レンヌ都市圏の持続可能な都市づくりを支援する「バーチャル・レンヌ」)

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