【柔軟な組み立てを可能にする設計】Leko Labs社の革新的な組立設計アプローチにより、図面から完成住宅までのプロセスを迅速化できます

ルクセンブルクに拠点を構えるLeko Labs社は、クロスカット加工の木製モジュールを製造しています。木製モジュールは、組み立てた後で分解できるため、住宅の増築やレイアウト変更、建て替えが可能になります。これらのプロセス間の連携をとり、その原動力となっているデジタル プラットフォームは、最初から最後まで調和を保つ役割を果たしています。Compassは、次世代住宅を建築する方法とそれに伴う課題について、同社でCEOを務めるFrançois Cordier氏に聞きました。

 

ーLeko Labs社とその業務内容について簡単にご説明ください。

 

François Cordier 氏: 5年前に創設された当社は、従来の材料と方法を用いた建築につきもののコスト、時間、リスク、非効率性の問題を解決するテクノロジーを導入することで、サステナブル ハウスの設計、エンジニアリング、製造、建築に革命を起こしています。接着剤を使わないクロスカット加工のエコ処理木材を再生可能資源から製造しているため、当社が建築する住宅の壁は従来よりも軽量で頑丈、かつ40%薄型になっています。これにより、従来の建築方法と比べて居住空間を最大で10%拡大できます。

 

ー企業理念をお聞かせください。

 

FC氏: ロボティクスとデジタル化を活用して、質の高い製品を経済的かつ持続可能な方法で大量生産するという、自動車業界と航空宇宙業界のアプローチからインスピレーションを受けました。ロボティクスとデジタル化の技術をつなげて建築に応用したというわけです。

 

ーLeko Labs社が解決しようとしている建築業界の主な課題は何ですか。

 

FC氏: 高度に断片化された建築業界は、保守的で生産性が低く、時代遅れの材料と方法を用いた効率の悪い建築アプローチによって、環境への悪影響と大量の廃棄物を生み出しています。一方Leko Labsは、効率的で連携のとれた組織内で、主要建築部材として再生可能木材を利用し、デジタル化、垂直統合、ワークフロー調整、ロボット活用製造などの先端技術を導入しています。この戦略により、コストと時間の超過がなくなり、従来の建築手法に関連したリスクが大幅に低減します。

 

ーLeko Labs社のシステムは建築プロセスをどのように改革していますか。

 

FC氏: 従来の住宅の建築には約24か月かかりますが、現時点でLeko Labs製の住宅は9か月で完成しています。ロボットを活用した建築部材の製造と組み立てがさらに発展すれば、間もなくこの期間を6か月まで短縮できる見込みです。現在は、水道と電気が事前に取り付けられたモジュラー型の部屋を導入することにより、住宅の建築を24時間で完成できるようになることを目標にしています。

 

 

ーこのことは建築業界に経済面でどのように影響していますか。

 

FC氏: 従来の住宅と同じ面積内により多くの居住空間を確保でき、建築にかかる時間を大幅に短縮できるため、開発業者はより柔軟にニーズに対応し、より短期間でROIを実現できます。建築技師がプロジェクトの設計や調整を必ずしも行わなくて済むようになり、30%以上予算をオーバーしていた下請け業者は法外に高額の料金を請求できなくなります。Leko Labsの建築物は再生利用が可能なため、30年から50年使用した後で分解して、何度も繰り返し再利用できます。

 

ープロセス、パートナー、サプライ チェーンをどのように統合し、どのような利点を得ていますか。

 

FC氏: オンライン ポータルでは、拡張エンタープライズ全体にわたってデジタル スレッドを実現することで、プロジェクト マネジメントからファイナンス、BoM、クライアントとステークホルダーの最新情報に至るまで、当社のビジネスのあらゆる側面を完全に統合しています。これによって、国際的なパートナーとのコラボレーションをすぐに開始できるため、反復可能性を通じて迅速かつ容易に事業を拡大できるというメリットがもたらされます。

 

ーLeko LabsではどのDfMA (製造・組立のための設計)テクノロジーを導入していますか。

 

FC氏: 建築技師の計画を10分でLeko Labsデザインに自動変換できます。プロセス全体で単一のデジタル モデルを使用すると、生産性が高まり、誤解を原因とした間違いや品質の問題を防ぐことができます。壁の格子、平板、柱を分割する最適化されたスクリプトに加え、BoM (部品表)およびNC (数値制御)ファイルも自動的に生成するテクノロジーを導入しています。応力解析で検証された設計は、建築部材製造用のロボット化されたCNC (コンピュータ数値制御)機械と直接リンクするため、画面に表示される「プリント」ボタンを押すだけで製造を開始できます。

 

ーLeko Labsでは3Dシミュレーションはどのような役割を担っていますか。

 

FC氏: ワークフローの全側面をシミュレーションしているLeko Labsにとって、シミュレーションはあらゆるプロセスの原動力です。設計、エンジニアリング、製造、ロジスティクス、最終的な組み立てが3Dで表されるため、物理的なリソースをコミットする前に、プロジェクトのあらゆる要素とステップを完全にし、最適化しておくことができます。

 

ーLeko Labsと業界全般にとっての将来の展望をお聞かせください。

 

FC氏: Leko Labsでは、すべてをモジュラー化してプレハブ化するテクノロジーを、一戸建てだけでなく高層ビルにも応用できるよう開発を進めています。今後、建築部材の製造工場は分散化され、運搬の必要性を少なくするために都市内に移動することになるでしょう。マスカスタマイゼーションが標準となり、消費者は現在車を買うときにしているのと同じ方法でオンラインで住宅を作るようになります。建築業界の人手不足は続きますが、業界のデジタル化とオートメーションによって、商業的および環境的なサステナビリティが実現し、よりコストパフォーマンスに優れた住宅を将来の世代のために建築できるようになるでしょう。

著者: Nick Lerner

ダッソー・ システムズ

3Dソフトウェア市場におけるパイオニアであり、3DとPLMソリューションのワールド・リーダーであるダッソー・システムズ(仏)の日本法人です。
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