【デザインとシミュレーションを語る】 86 : Simulation Governance診断で可視化する

【第10章 Simulation Governance】86 : Simulation Governance診断で可視化する

ダッソー・システムズの工藤です。前回はCAEの着実な業務活用に欠かせないSimulation Governanceについて、構成要素を4カテゴリー、9領域40項目に細分化することで定義を試みました。細分化して定義することはSimulation Governanceの達成度合いを客観的に把握することにつながりますが、ダッソー・システムズには、達成度合いをより正確に把握できるSimulation Governance診断というメニューがあります。40項目の構成要素に対する質問にご回答いただくことで、自社の状況が可視化され、改善すべき点が具体的にわかり、また診断に参加した企業の平均値と比較することができます。下図がSimulation Governance診断の質問リストと診断結果のサンプルです。

ⒸKeiji Kudo (Dassault Systèmes)

 

Excelシートでは、40項目のそれぞれに質問と、それに回答する選択肢としてLevel1~5まで記載されています。自社の現状がどのレベルに相当するかをチェックすることで、数値化するしくみになっています。そうしますと、上手の右側のスパイダーチャートのような形で、本診断に参加した全社の平均値データと相対比較し、自社のレベルを判断することができます。もちろん、個々の40項目について詳細比較することもできます。質問内容やLevel1~5のリストはここでは開示できないことをご了解ください。

 

ここまでご説明すれば、本手法で実施したい意図について、大枠ご理解いただいているとは思います。本診断に参加された企業の皆様にとってのメリットを整理してみましょう。

 

・メリット1:Simulation Governanceを網羅した診断項目を利用できる
詳細なLevel1~5の診断項目の策定には、私の38年間におよぶ広範なシミュレーション業務経験も大きく寄与しています。診断に参加された各社は、こうした当社に蓄積された経験や知見を基に自社の現状を顧みることができます。

 

・メリット2:診断への回答により、自社の現状を具体的に確認できる
回答をするために、自社の状況を調べ確認することが必要になるでしょう。これまで着目していなかった項目についても、改めて気づかされることでしょう。40項目に及ぶレベル確認をすることで、自社の現状を客観的に把握することができます。

 

・メリット3:項目ごとの統計情報により、世の中の平均/上位レベルがわかる

参加各社には全参加社のデータを統計処理した取りまとめ情報が共有されます。参加する企業数が増えれば増えるほど、統計信頼性が向上し、世の中的な平均と上位レベルがわかります。項目ごとの頻度分布により、詳細に把握することができます。

 

・メリット4:全平均・偏差と自社を比較し、相対的な強みと弱みがわかる
客観的な視点で自社の相対的な強みと弱みが一目瞭然となりますので、例えば、経営層や意思決定会議での判断材料として活用できるでしょう。

 

メリット5:相対比較もしくは絶対値により、強化点を客観的に絞り込める
何らかの改革プロジェクトでシミュレーションが関わる領域について、どの項目を強化すべきかを、即座に判断・活用することができます。あるいは、さらに詳細に調査し、具体的な対策を取りやすくなります。

 

・メリット6:診断を定期的に実施することで、改善状況を把握できる
Simulation Governance向上活動を開始してのち、本診断を、半年に一回あるいは年に一回定期的に行うことで、改善状況を具体的に思い出しながら、かつ、定量的に把握できます。

 

本Simulation Governance診断とその推進活動は、本年2022年から本格的に始動し、現在15社にご参加いただいております。次回投稿で実際のデータを示して詳しく説明する予定です。楽しみにしていてください。また、本診断にご参加いただける企業を随時募集しておりますので、診断をご希望の方は本ブログを読んだ旨、弊社マーケティング部門(こちら)まで「Simulation Governance診断について」と記載のうえ、ご連絡ください。

 

87 : Simulation Governance診断結果を分析する に続く

工藤 啓治 (Keiji Kudo)

工藤 啓治 (Keiji Kudo)

工藤はCAE分野で39年の経験を持つエキスパートとして、CAE開発・販売、HPC活用・マーケティング、最適設計・ロバスト設計市場開拓などを経験し、現在はシミュレーションを活用した設計業務改革コンサルと自身のノウハウ形式知化に取り組んでいます。
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