技術と品質は世界一。では今後25年を見据えた仕組みと人づくりは?【3DEXPERIENCE FORUM JAPAN 2019 直前対談・第四回】 ~ダッソー・システムズ日本法人トップにフォーブス ジャパン谷本有香が聞く~

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10月8日、9日 虎ノ門ヒルズフォーラムにて開催

 

聞き手/谷本有香(Forbes JAPAN副編集長)
語り手/山賀裕二(ダッソー・システムズ株式会社 代表取締役社長)

 

 

谷本有香(以下、谷本) 「世界をキャッチアップする必要がある」日本の産業界は、現在どういう位置づけにあると考えていらっしゃいますか。

 

山賀裕二(以下、山賀) 補足すると「キャッチアップする必要がある」のはプラットフォームや仕組みの部分であって、現在でも技術や品質では「世界一」と評されるべき企業は日本にはたくさんあります。プラットフォームや仕組みを再構築できれば、とても強靭な企業体ができあがります。われわれがサポートできるのは、その技術を追求することでどんな「価値」に転換できるか。例えば新しいカテゴリーの製品を、どれだけ早く市場に投入できるか。私たちはそのために最先端のプラットフォームを用意しているのです。

 

谷本 ダッソー・システムズは「世界でもっともサステナブルな会社」としても知られています。それはエンドユーザーの求めるエクスペリエンスの提供にもつながると思いますが、山賀社長のお考えになる「サステナブル」とはどういうものでしょうか。

 

山賀 日本における「サステナブル」という概念はまだ社会貢献やボランティアにも似た概念として捉えられるケースも多いんです。でも、「持続可能性」という本来の意味からすると、ビジネスの現場では「長く続くように、きちんとビジネスを回す」というニュアンスがもっと強くなっていいはずなんです。

 

谷本 「強靭で」「サステナブル」な企業の種はどんなところにあるのでしょうか。海外の例でも構わないので、事例をいくつか教えていただけますか。

 

山賀 3DEXPERIENCEプラットフォームのユーザーでアメリカにブーム・テクノロジーという超音速旅客機を開発中のベンチャーがあります。通常の旅客機がマッハ(音速)0.8のところ、なんと3倍近いマッハ2.2で飛行する旅客機で、2020年代半ばの就航を目指して開発中だと言います。実現すれば東京→アメリカ西海岸間が5時間30分で済んでしまうという高速旅客機です。

 

谷本 5時間30分というと、ほぼ今の半分じゃないですか。近くなりますね!

 

山賀 そうなんです。日本航空さんはすでに提携済みで技術面の交流を行うほか、1000万ドルを出資、超音速機20機分の優先発注権を獲得したと報じられています。ヴァージングループからの支援も取り付けていて、航空業界で話題となっているのですが、大切なのは彼らが「新しいカテゴリーのビジネス」を実現しようとしていること。ブームのCEOは「遠くの人を身近な隣人に」「世界の距離を縮めたい」と言っています。

 

谷本 こうした理念を新カテゴリーのビジネスに転換するのは、海外に一日の長がある気がします。

 

山賀 そうですね。また別の例では、デンマークにECCO(エコー)という1963年創業のシューズメーカーがあるんですが、店頭で顧客の足の形状や歩く際のクセを計測し、3Dプリンターで一人ひとりの足に合わせてカスタマイズしたシリコン製ミッドソールをその場で製作するサービスを開始しています。ミッドソールの設計には私どもの製品が使われていて、国内でも今年東京の伊勢丹新宿店でサービスが始まって話題になりましたが、それくらい身近なところにサービスは展開されはじめています。こうした意欲的な施策を行う国内の企業をぜひ支援させていただきたいですね。

 

 

谷本 こうした新しいサービスやアイテムの開発には、企業の縦割りからの脱却や、製造工程の刷新が欠かせません。本来、メリットも多いとは思いますが、日本企業相手だとなかなか仕組みを刷新するのが難しい面もありませんか。

 

山賀 実は世界的に見ても、日本の企業体質は少し特殊と見られています。過去の成功体験にこれほどこだわる国はあまりありません。これは好むと好まざるとに関わらず、変えていかなければならない。変わらない企業はグローバルでの勝負は難しくなってしまう。その意味でポイントは人材ですね。国や地域、世代を超えた発想があり、コミュニケーションを取ることができる人を活用できるかどうかもカギになると思います。

 

谷本 インダストリー・ルネサンス――この新しい産業変革の時代に、日本が世界をキャッチアップするにはいわゆる”リーダー”の方々のマインドも変えていかねばならないように思えるのですが。

 

山賀 まったくそのとおりです。アナログからデジタルへの位相転換やIT化という次元でなく、ビジネスのあり方自体が根本から変わってきています。モノは氾濫し、誰もがあらゆる情報に触れることができる。そのなかでエンドユーザーのニーズに応えるエクスペリエンスを創造しなければならない。リーダーが果たすべき役割が非常に大きい時代であるとも言えます。先ほど谷本さんに体験していただいた、エグゼクティブ・センターも、まさしくリーダー層に体験していただき、気付きを持っていただく施設です。

 

谷本 確かに言葉や資料で何時間も説明を受けるより、センターで10分程度体験したほうが、話が早そうです。ただ、体験してもそこから言語化するのが難しい面もあるので、確かにエグゼクティブ――決定権者向きかもしれません。

 

山賀 そこも含めて、まさしく「エクスペリエンスの時代」だということを表現した……わけではありませんが(笑)、エクスペリエンスがいかに強く人に訴えかけるかという意味では象徴的な施設になったと考えています。

 

谷本 ビジネスをどう転換するか、その発想のヒントになるものが10月8日、9日 虎ノ門ヒルズフォーラムにて開催される「3DEXPERIENCE FORUM Japan 2019」には凝縮されているというわけですね。

 

山賀 次の30年間に向けての企業の基盤づくりを踏まえ、今後日本企業が進むべきビジネスモデルを提示します。世界中から豪華なビジネスエキスパートを招くので、ぜひご来場ください。お待ちしております!

 

 

\ 2019年10月8日、9日開催 /

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