ダッソー・システムズ 季節のお便り:第1号

こんにちは。今号より、ダッソー・システムズのカレンダーで取り上げている3DEXPERIENCE Labのプロジェクトについてご紹介していきたいと思います。
全12回を予定しておりますので、お付き合いいただければ幸いです。

 

 

3DEXPERIENCE Labをご存知の方もそうでない方もいらっしゃると思いますので、まずはこちらを簡単にご説明させていただきます。

 

ダッソー・システムズが2015年11月に設立した3DEXPERIENCE Labは、革新的なプロジェクトの支援と強化を通じて社会を変革するための、新しいオープン・イノベーション・ラボと、併せて展開されるスタートアップのアクセラレーター・プログラムの総称です。知的で創造的で情熱的な人々のコミュニティである3DEXPERIENCE Labには、社会に役立つ取り組みを進めている世界中の起業家、メーカー、およびイノベーターが集まっています。

 

 

では、社会をより良く変えていく力を秘めたアントレプレナー(起業家) 精神に富むプロジェクトの選定・支援はどのように行っているのでしょうか。また、選定されたプロジェクトはどのような恩恵を受けるのでしょうか。下記に簡単にまとめてみます。

 

【選定・支援】

・生命科学、都市づくり、ライフスタイルの向上に寄与するような製品開発を手がけるスタートアップの中から有望なものを選定する

・スタートアップ、アントレプレナー、学生、メイカーズ、イノベーションに関わる部署や研究機関に所属する個人などが取り組む、都市、生命、ライフスタイル、IoT、ファブラボ、コンセプトづくりなどの6つのテーマのうち少なくとも1つに取り組むプロジェクトをサポートする

・審査を経た上で、1年から2年の支援対象となる

 

【メリット】

・支援を受けるスタートアップ各社は、プログラム期間を通じて、製品やプロセスの最適化やその検証のためのデジタル・エクスペリエンスを構築するため、ダッソー・システムズの3DEXPERIENCEプラットフォームや技術力を利用でき、アドバイスを仰ぐことができる

・ダッソー・システムズが作り出し、社会で広く利用されているさまざまな製品の設計、エンジニアリングおよび製造の変革に寄与してきたコンテンツを利用することができる

・ダッソー・システムズの世界に広がるエコシステムを活用でき、より迅速に製品化を進めることができる

 

現在、こうした選定を経た計27のプロジェクトが進行中です。

 

それでは、3DEXPERIENCE Labについての説明はこれくらいにして、1月カレンダー掲載のプロジェクトのご紹介に移りましょう。今月のプロジェクトは、気球を使って上空から人工衛星を打ち上げるZero 2 Infinityです。

 

最近は民間人の宇宙旅行なども話題となり、宇宙へのアクセスはますます身近なものになってきています。子供の頃に宇宙飛行士を夢見たり、宇宙に憧れを抱いたりした方も多いのではないでしょうか。人工衛星の打ち上げについては、1957年10月4日にソビエト連邦が人類史上初の人工衛星『スプートニク』1号の打ち上げに成功し、1958年1月にはアメリカ合衆国も『エクスプローラ』1号を軌道に乗せました。それ以来、地球の観測、監視、電気通信、スマートシティ、接続性、気象学、緊急対応などのためのデータを提供することを目的にたくさんの小型衛星が作られ、打ちあげられています。

 

国連宇宙部によると、これまでに世界各国で打ち上げられた人工衛星(ISS輸送機などの宇宙機を含む)は2019年1月時点で8,000機を超えており、地上に回収されたものや、高度が下がって落下したものを除いても、軌道上の衛星はその半数以上はあるそうです。かなり多いですよね。
(出典 国連宇宙部ウェブサイト

 

そんな中、Zero 2 Infinityは、小型衛星用の低コストで環境にやさしいサービス指向のロケットランチャー、Bloostarを開発しています。Bloostarは高高度気球の助けを借りて、ゆっくりと成層圏に上昇してから、準真空環境でエンジンを点火します。従来のランチャーと比べて、少ないインフラ、シンプルなエンジンで、衛星への負担が少なく、高性能で、新しい宇宙市場の繁栄を可能にします。

 

Bloostarの背景にあるアイデアは、宇宙への衛星の打ち上げ価格を引き下げ、新しい小型衛星市場に対応することです。Zero 2 Infinityは宇宙への上昇を2つの段階に分割しました。1つ目は大気の最も濃い部分を通過することを目的とし、2つ目は真空に近い環境でスピードを上げることを目的としています。アイデアに従って、Bloostarは気球のおかげで高度20 kmまで飛行します。Bloostarはエンジンを点火し、速度を得て、従来のロケットよりも少ない制約で軌道に到達することができます。

 

Bloostarは、単により高い高度に持って来られたロケットではなく、成層圏(準真空)点火を利用するように完全に設計された最初のランチャーなのです。

 

最後に、Bloostarの主な付加価値についておさらいしましょう。

  1. 環境に優しい:Bloostarの燃料消費量は最小限であり、従来のロケットよりも汚染が少なくなります。その排出物は主に水と少しのCO2です。
  2. 低コスト:従来のランチャーの最初の段階を気球に置き換えることで、ロケット開発の複雑さが大幅に軽減されます。
  3. 設計の自由度:地球に近い宇宙空間では大きな空力的制約や振動がなく、Bloostarは地上発射ロケットよりも大きな積載量に対応できます。Bloostarは本質的に信頼性が高く、どの競合他社よりも衛星にとってスムーズな乗り心地を提供します。

 

Zero 2 Infinityに関するより詳しい情報は、こちらからご覧ください。

 

今回は、全く新しいやり方で宇宙へのアクセスを可能にするスペインの企業、Zero 2 Infinityをご紹介しました。次回は心臓の3Dシミュレーションモデルを作成するリビング・ハートプロジェクトについてご紹介予定です。また来月お会いしましょう!

 

参考:

ダッソー・システムズ、オープン・イノベーションを推進するラボ、「3DEXPERIENCE Lab」を設立しスタートアップやメイカーズを支援
https://www.3ds.com/ja/press-releases/single/3dex/

 

ダッソー・システムズ、3DEXPERIENCE Labを北米にも展開
https://www.3ds.com/ja/press-releases/single/3dexperience-lab/

 

3DEXPERIENCE Lab
https://3dexperiencelab.3ds.com/en/

 

国連宇宙部ウェブサイト
http://www.unoosa.org/oosa/osoindex/search-ng.jspx

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