建築・建設January 23, 2015

【建築・建設業界コンテンツ】1:ショップアーキテクツが手掛けたブルックリンの革新的なモジュラー式ブラウンストーン建築の舞台裏

Fast Company誌は先月、2014年度の建築分野における世界で最も革新的な企業(the world’s most innovative company in architecture)にショップ アーキテクツ社を選定しました。
header
Avatar ダッソー・システムズ株式会社

Fast Company誌は先月、2014年度の建築分野における世界で最も革新的な企業(the world’s most innovative company in architecture)にショップ アーキテクツ社を選定しました。

ダッソー・システムズにとって、これは決して驚くべき事柄ではありません。3DSの長年のお客様であるShop Architects社は、ダッソー・システムズのテクノロジーを使用し、ブルックリン・ネッツの本拠地のシンボルとなっているバークレイズ・センターなど、注目を集めるプロジェクトを手掛けてきました。ショップ社は、3DSプラットフォームでセンターの外装を設計し、さらに大きさも形状も異なる鋼製パネル12,000枚から成る外装のオフサイトでのファブリケーションと建設現場との連携に必要なデータを作成しました。 ショップ社は、常に新たな課題に取り組むという考えを採用しています。ハリケーン・サンディによって大きな被害を受けたブルックリンの レッドフック地区で4階建てモジュラー住宅の設計と組み立てに取り組んだ際も、すばやく難局に対処しました。

2012年10月、ハリケーン・サンディが米国北東部の海岸を襲い、道路、トンネル、地下鉄が浸水し、850万人もの住民が停電の被害を受けました。ハリケーンの後、長期的な再建プロセスが開始され、ショップ社は地元企業として、ブルックリンのレッドフック地区に独自の プロトタイプ住宅による解決策を考案し、開発、建設するという課題に取り組みました。 「我々は、ほとんどの企業が躊躇する課題を引き受け、それぞれの課題をまたとないチャンスと捉えて建築デザインを表現し、 コミュニティに届けています」 ショップ アーキテクツ社 プリンシパルおよびショップ コンストラクション社 マネージングディレクター、Jonathan Mallie氏 レッドフック・プロジェクトは、バークレイズ・センターとはまったく異なるものでした。比較すると、非常に小規模で3,100平方フィート(約288平方メートル)に建つ二世帯住宅です。モジュラー設計には、2階から4階に 3ベッドルームからなる標準ユニット、1階には小さめの1ベッドルームのユニットが含まれています。 ショップ社はまた、このプロジェクトをダッソー・システムズのコラボレーション・プラットフォームである3Dエクスペリエンスを 導入する機会と捉えていました。

~舞台裏に迫る~ ショップ社のプロセスをご理解頂くために、以下URLにてムービーをご覧ください。同社が活用したテクノロジーを垣間見ることができます。 SHoP Architects | Customer Story – Dassault Systèmes

ショップ社の設計は、工場で組み立てられる4つのモジュールからなり、それらを現地においてわずか48時間で積み重ねて連結させる、というものでした。モジュールは、コンクリート・マイクロパイル基礎の上に建てられ、浸水の到達位置よりも高い位置に全ての居住空間と機械設備や電気設備が配置されます。 その機能が実際に試されたのは、ニューヨーク州カルバートンに本拠を置くIsland Exterior Fabricators社との共同作業が開始された時であり、その設計が初めて実際の建設モジュールとして形になりました。 各モジュールの詳細な3Dモデルは、CNC(コンピュータ数値制御)機械加工を制御するデータを作成するのに使用され、従来の建設方式とは大きく異なるものでした。

図面をなくす

「3Dエクスペリエンス・プラットフォームで作成された3Dモデルがなければ、何百ページにも及ぶドキュメントで構成される詳細図、組立図、注釈などの図面一式を作成し、設計することになっていたでしょう」とバーチャル設計および建設担当ディレクターのJohn Cerone氏は語り、次のように続けています。 「それは途方もなくハードな作業となり、このプロジェクトのために実際に結成されたチームよりも、はるかに大規模なチームが必要とされていたでしょう」

図面の作成は、3Dモデルを厳守するどころか、かえって設計に解釈の余地を与えてしまうのです。図面に代わり、3Dモデルを一元化された設計情報とします。

これが、今日のショップ社の業務方針であり、そして建築・建設業界全体が究極的に目指すところでもあります。

「我々は、二度と図面を作成せずに済むことを願っています」とCerone氏はニコッと笑い、そう語りました。<< クリックしてツイートしてください コラボレーションが鍵にショップ社では、全てのプロジェクト関係者が連携することで、プロジェクトを成功させました。 「建築・建設業界の主な改善点の一つはコラボレーションです。つまり、事務所内の孤立した環境で業務を行うのではなく、プロジェクトのモデルとなる一元化されたデータを作成し、施主、エンジニア、建築家、建設会社などあらゆる関係者がそのモデルに基づき業務を行うことです」とMallie氏は述べています。

ショップ社は、次のツールを採用しています。 • 3Dエクスペリエンス:クラウド型プラットフォーム • IFWE Compass:ナビゲーションおよびダッシュボード機能 • CATIA:3Dモデリング・アプリケーション • ENOVIA:コラボレーション・アプリケーション

ショップ社が選択したテクノロジー・プラットフォームは、統合されたプランニング、コラボレーション、モジュール化、プレファブリケーションなど、工業化された建設プロセスをサポートし、チームがスケジュールの短縮や生産性の向上、さらに経費削減を最大化する上で役立てられました。

読者登録はこちら

ブログの更新情報を毎月お届けします

読者登録

読者登録はこちら