<緊急特集>ダッソー・システムズ株式会社代表取締役社長 鍛治屋清二にフォーブス ジャパン谷本有香さんが聞く3DEXPERIENCE FORUM JAPAN 2017 【開催直前! 6月6日、7日 ザ・プリンス パークタワー東京にて大幅パワーアップしていよいよ開催!】

【3DEXPERIENCE FORUM Japan 2017~詳細・参加登録はこちら~】

谷本 今日は目前に迫った「3DEXPERIENCE FORUM Japan 2017」についてお話を伺いたいと思いますが、その前にまずは昨年2016年の事業概要から教えていただけますか。

鍛治屋 大事なことですね(笑)。2016年は世界全体で非常に好調でした。総収入が連結ベースで30.5億ユーロ。なかでも3DEXPERIENCE関連のソフトウェアの収入が対前年比25%増、それからソフトウェア収入における「新規産業」からの収入が全体の31%になりました。当社としては、いずれもとても重要なことです。

谷本 この場合「新規産業」とはどういう産業を指しますか。

鍛治屋 当社ではライフサイエンス、ハイテク、船舶・海洋、エネルギー・プロセスといったカテゴリーを新規産業として位置づけています。

谷本 なるほど。ダッソー・システムズにとっての「新規産業」という位置づけですね。その他で伸びたのはどんな事業ですか。

鍛治屋 あとは製造生産領域に関わるシステム、DELMIA AprisoやDELMIA Quintiqなどは非常に伸びました。日本法人としての決算は公表しておりませんが、3DCADのミッドレンジ領域では独走しているSOLIDWORKSをはじめ、多くの製品が非常に順調だったのは間違いありません。

谷本 業績が伸びた背景には何があったのでしょうか。

鍛治屋 大手企業が本当の意味で事業形態の変革にITを取り込もうと動いているのは大きいと思います。これまで多くの企業は現状の業務の効率化のためにITを導入していましたが、最近では新しいビジネスモデルの策定にITをどう生かすか、という着想に変わってきています。当社のプラットフォーム戦略が、そうしたニーズに合ったということでしょう。

谷本 中小企業の動向はいかがでしょうか。

鍛治屋 これまで2次元のCADを使っていたお客さまが3次元CADへ本格的にシフトしてきています。3Dデータの流通範囲が広がり、製造業の下支えをしている印象ですね。SOLIDWORKSを使っていただけるようになった中小企業は本当に増えました。

谷本 2016年度、特に大きな市場の動きや特徴はありますか?

鍛治屋 あります。近年の製造業を取り巻く枠組みとして、製造プロセスのIT化やIoT、それにIndustry 4.0、3Dプリンティングといった、情報技術を駆使した国を挙げての製造業の革新がトレンドになっています。つまり新たなソリューションが採用されやすい環境が劇的に進んだ印象があります。

谷本 そう考えると、2016年度は各企業にとって「製造領域IT化元年」というような位置付けになりそうです。

鍛治屋 そうですね。特に製造領域の現場では、これまでオートメーションを主体としたIT化でコストが意外と膨らむことがありました。IoTやIndustry4.0の流れでは単なるオートメーションではなく、業務プロセスの変革やサービスの向上も視野に入れた取り組みですから、その意味では、開発や設計領域よりも改善できる余地が多いケースが目立つかもしれません。

谷本 2016年度に目立った導入事例にはどんなものがありましたか?

鍛治屋 製造業の実行系システムでしょうか。――例えばモノを作る時の非常に細かい「さじ加減」が重視される材料の最適化や機械設定条件の最適化、スケジューリングなど職人仕事がありますよね。その要素を洗い出し、ダッソー・システムズのソフトウェアを使って効率を高めていこうという取り組みは増えました。「モノ」を作る以上、歩留まりを少しでも上げたいのは当たり前のことだと思います。

谷本 業績は好調で、デジタルができることの領域も大幅に広がった、と。いいことずくめのようにも思えますが、そうなると2017年の目標値も上がってしまいそうですね。

鍛治屋 あまり高いハードルも困りますね(笑)。基本的には冒頭申し上げた製造領域を拡張していきます。新規に買収したテクノロジーも定着してきているので、これらも伸ばしていきます。あとは大手のお客さまには、3DEXPERIENCEプラットフォームで新しいビジネスモデルを構築し、業務改革を加速していただけるように取り組みます。

谷本 この数年注力されているクラウド事業はいかがでしょう。

鍛治屋 特に中小企業になると、大きなサーバーを立てて運用・保守していくのはコスト的にもマンパワー的にも難しい、という運用管理のチャレンジが常にあると思います。ところがクラウドならば、極端な話、個人ユーザーであったとしても、運用管理に煩わされず使うことができます。ハイエンドなテクノロジーを誰もがすぐに使えるようなクラウド環境の整備を進めていきたいですね。

谷本 クラウド環境の整備はどんな効果を生むと考えていらっしゃいますか。

鍛治屋 さまざまな局面が考えられますが、クラウドがもたらすのはアウトプットの質とスピードの向上だと考えています。今日の社会的な要求の一つに起業家の育成があげられますが、最新のテクノロジーをすぐに利用できるクラウド環境があれば、アイデアはあるのに必要な技術やインフラが整わない、というケースでも事業化の速度が劇的に上がります。研究機関などでクラウドを使うと、たとえば情報共有の質が上がることも想定できます。各研究者と情報の距離が縮まれば、アウトプットの質ももちろん高くなりますよね。

 

~第二回に続く:明日6月1日(木)公開~

【3DEXPERIENCE FORUM Japan 2017~詳細・参加登録はこちら~】

Comments are closed.