<緊急特集>【第二回】ダッソー・システムズ株式会社代表取締役社長 鍛治屋清二にフォーブス ジャパン谷本有香さんが聞く3DEXPERIENCE FORUM JAPAN 2017 【開催直前! 6月6日、7日 ザ・プリンス パークタワー東京にて大幅パワーアップしていよいよ開催!】

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谷本 「ビジネス・エクスペリエンス・プラットフォーム」という概念についてお話を伺います。大量生産、大量消費の時代が終わり、多様化の時代――マス・カスタマイゼーションの時代になりました。こうしたニーズの変化について、あらためて解説していただけますか。

 

鍛治屋 高度成長期からバブルにかけての一時期、「マイ×××」という呼び方が流行った時代がありましたよね。

 

谷本 「マイカー」とか「マイホーム」なんていう言い方も流行りました。

 

鍛治屋 既に社会的に価値が認められているものを自分が所有している、という意識がこうした呼び方にもあらわれていますね。昔、モノの価値は社会が決めるものだったのです。もちろんモノによってその価値は異なるわけですが、100人中100人が認めたモノを所有することに価値がある時代がありました。それが現代では本当に個人の時代になって、モノの価値を決めるのは自分になりました。もっと言えば、ディテールまで含めて自分の想いを表現できる好きなモノをメーカーとともに「造りこむ」ことができるようになりました。

 

 

谷本 自分で手を動かさずとも、自分の好きな「1台」を造ることができるようになったわけですね。

 

鍛治屋 テスラなどは典型的ですよね。ダッシュボードにiPadを2台貼りつけたようなコックピットが選択できます。マニアでなくとも、誰もが車のインテリアやパーツをカスタマイズできるようになっています。カスタマイゼーションが万人(マス)のためのものになったのです。3Dプリンターのようなアイテムは少し前には想像すらできなかったのが、材料技術の発達で、いまやマス・カスタマイゼーションを実現するキーテクノロジーの一つに位置づけられています。こうしたマス・カスタマイゼーションや3Dプリティングを行う大前提として、3Dモデルは不可欠です。当社がお役に立てることは、年々増えてきていると思います。

 

谷本 いわゆる「バリュー・ストリーム」――製造業において異なる部署や現場同士の連携の最適化にもつながるわけですよね。

 

鍛治屋 モノづくりには、リサーチ→アイデア→ビジネスプラン化→デザイン→設計→部材手配→加工組立→物流→販売というような一連の流れがあるわけです。近年では製造工程のデータ連携はできるようになってきた。さらにいまでは高精度の3Dでデータが設計されるようになった。その精度は、設計データからまるで試作車や実車を使ったかのようなCM映像の製作ができてしまうほどです。試作車や実車がなくても開発の途中で映像制作ができるとなれば、セールス・マーケティングと需要予測の連動などの可能性は劇的に広がります。

 

谷本 車のようなプロダクトでは、製造台数の見込み策定は生命線ですよね。精度の高いデータに基づいたマーケティングなら、見込みの精度も上げられそうです。

 

 

鍛治屋 高精度の3D データを使い、CMに限らず、カタログやウェブサイトなども簡単に作れるようになりました。1年後に発売される車の告知を今できたなら、需要のポテンシャルの先取りもできますよね。また生産の予測が立てられるのはさらに大きな価値を生みます。どの地域で何をつくると、どの程度売れるのか。部材はどこのどの材料を使うと最適化されるのか。そうした実験的なアプローチにも大いに寄与できると思います。

 

谷本 いま他に取り組まれていることはありますか?

 

鍛治屋 バリュー・ストリームを分子・原子レベルのシミュレーションからつなげていくことはできないか、と考えています。そこまでやって初めて本当の材料最適化になるのではないでしょうか。実際、自動車用の燃料電池の開発などには、分子・原子レベルでの3Dシミュレーションが有効です。

 

谷本 シミュレーションの精度を上げていくと、外的要因などさまざまなことを想定しなければならなくなりそうです。

 

鍛治屋 そうですね。現在、世界的にもシミュレーションを、どう現実世界に近付けていくかという課題が持ち上がっています。シミュレーションをいかにリアルなエクスペリエンスに近づけていくか、世界中の企業がこぞって取り組んでいるのです。スピーディにローコストでモノをつくるという観点では、既にシミュレーションは必需品と言っていいでしょう。試作品の強度をはかるというレベルでのシミュレーションであれば、現状のテクノトジーでも問題ありませんが、いま課題になっているのは、先ほど谷本さんがおっしゃった「様々な外的要因」をいかに考慮するかのほうですね。

 

谷本 と、おっしゃいますと?

 

鍛治屋 例えば、ウェアラブル端末。スマートウォッチなどで非常に身近になっていますが、普及するにつれて、限られた空間に多くのウェアラブル端末が存在するようになっています。それぞれの端末が電磁場をどれくらい発生させ、それらが干渉し、人体や空間にどのように影響があるか、といったことを、製品開発の段階で検討する必要があります。またビッグデータ分析をもとに、あらゆる使用シナリオを想定しながらシミュレーションすることも必要です。実際、電磁場が自動運転に干渉する可能性などは即生命に関わるという点で検証が極めて重要ですし、悪用されないための対策や規制も必須です。電磁場解析というのは、新しい意味でのセキュリティの分野になりえるのではないかと思います。

 

~第三回に続く:明日6月2日(金)公開~

 

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3Dソフトウェア市場におけるパイオニアであり、3DとPLMソリューションのワールド・リーダーであるダッソー・システムズ(仏)の日本法人です。
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